0776-28-2824 受付時間 9:30~20:00(土日祝対応)

0776-28-2824

受付時間 9:30~20:00(土日祝対応)

メール相談 LINE相談 受給判定
労災事故で肘が動かない~適正な補償を受けるために~

仕事中の事故で肘を負傷し、以前のように動かせなくなってしまった・・・。

例えば、建設現場で働いていた方が足場から転落して肘を強打し、関節が損傷して動かせなくなってしまったケース。また、工場で働いていた方が、落下してきた重い機械の部品が直撃して骨折し、治療後も肘が曲がりにくくなってしまったケース。
このような事故により、肘の機能が制限されてしまうことは決して珍しくありません。

「これから仕事は続けられるのだろうか」
「治療費はどうなるのだろう」
「後遺障害が残った場合、どのような補償が受けられるのか」

事故に遭われた方やご家族の多くは、このような不安を抱えながら日々を過ごされています。私はこれまで、労災被害者が労災保険の仕組みや補償の範囲について十分な情報を得られないまま、必要な補償を受け損ねてしまうケースを数多く見てきました。

肘が思うように動かせないということは、洗顔や着替えといった身の回りの動作から、物を持ち上げる、工具を使うといった仕事の動作まで、あらゆる場面で支障をきたします。そのため、適切な補償を受け、今後の生活に備えることが重要になります。

そこで今回は、肘が動かなくなる事故に遭われた方やそのご家族の方に向けて、適正な補償を受けるために必要な知識を解説していきます。

肘が動かなくなる労災事故の事例

製造業での事例

製造業に従事していたBさんは、工場で重さ20キロほどの機械部品を運んでいた際、足を滑らせて転倒。肘から地面に倒れ込み、肘の骨を折る大怪我を負いました。この事故により、肘の靭帯が断裂。手術とリハビリを経ても、肘の動きが制限されたままでした。

建設現場での事例

建設現場で働いていたAさんは、3メートルほどの高さから転落した際、とっさに手をついたことで肘を強打しました。病院で診察を受けると、肘関節を構成する骨が複雑に折れており、手術が必要な状態でした。手術後もリハビリを続けましたが、肘を完全に伸ばすことも、深く曲げることもできない後遺障害が残ってしまいました。

長期間の反復作業による肘の障害

工場のライン作業で、毎日同じ動作を何千回も繰り返していたCさんは、徐々に肘に痛みを感じるようになり、ある日突然、激痛とともに肘が動かせなくなってしまいました。診断の結果、腱や靭帯の損傷が見つかり、手術が必要な状態でした。

このように、労災による肘の怪我は、事故の形態によってさまざまです。

肘の動かない労災における後遺障害認定

肘の負傷の治療を終えた後、「肘が思うように動かない」「痛みが残る」といった症状が続くことがあります。このような後遺障害が認められると、労災保険から補償を受けることができます。

肘が動かない場合における後遺障害は、大きく分けて「機能障害」、「神経障害」の2種類があります。

機能障害について

治療後、以前のように肘が自由に動かせなくなってしまうケースがあります。これが、「機能障害」です。

機能障害は原則として、患側(負傷した側)の可動域と健側(負傷していない側)の可動域を比較して判断され、その制限の程度によって後遺障害等級が認定されます。
認定される主な等級は以下の通りです。

・8級6号「1上肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの」
肘の関節の可動域が、健側と比べて約10分の1以下に制限された状態等を指します。

・10級9号「1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの」
肘の可動域が健側の約2分の1以下に制限された状態等です。

・12級6号「1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの」
肘の可動域が健側の約4分の3以下に制限された状態等を指します。

ただし、ここで重要なのは、後遺障害は単純に数値だけで判断されるわけではないということです。骨折・靭帯損傷等の状況や治療経過、骨のつき方、関節の状態等も含めて総合的に評価されます。

神経障害とは

肘の負傷の治療が終了しても、肘に痛みやしびれ等が残る場合、神経障害として、後遺障害と認定される可能性があります。

他覚的(画像所見等)に神経障害の存在が証明できる場合は12級12号、神経障害の存在が医学的に説明可能な場合は14級9号と認定されます。

労災事故による肘が動かない場合に受けられる補償

労災事故で肘が動かない場合、適切な手続きを行うことで様々な補償を受けることができます。私の経験では、被災者の方やそのご家族が受けられる補償の全容を把握していないケースが少なくありません。ここでは、どのような補償が受けられるのか、説明していきます。

労災保険からの給付内容

まず、労災保険から受けられる主な給付について説明します。これらは、労災認定を受けることで請求が可能となります。

療養補償給付

療養補償給付は、治療にかかる費用を補償するものです。肘を負傷する事故の場合、長期のリハビリテーションが必要となることも多く、この給付は重要です。

休業補償給付

休業補償給付は、働けない期間の収入を補償するものです。給付基礎日額の80%(休業補償給付60%+休業特別支給金20%)が支給されます。肘を負傷する事故の場合、手術後の回復期間や機能回復のためのリハビリ期間中の収入を補償する重要な給付となります。

障害補償給付

後遺障害が残った場合には、障害補償給付を受けることができます。先ほど説明した障害等級に応じて、年金または一時金が支給されます。第7級以上の場合は年金として、第8級以下の場合は一時金として支給されるのが特徴です。

使用者に対する損害賠償請求

労災保険による補償に加えて、事故の原因に会社側の責任が認められる場合には、使用者に対して損害賠償を請求できる可能性があります。

例えば、安全対策が不十分な状態で作業をさせていた場合や、必要な研修・指導を怠っていた場合などは、会社側の安全配慮義務違反として損害賠償請求の対象となりえます。この場合、労災保険では補償されない慰謝料や、休業損害の不足分などを請求することができます。

不安を抱え込まずに専門家に相談を

肘が動かないという労災事故は、被災者の方の人生に大きな影響を与えかねない深刻な事故です。適切な補償を受け、円滑な職場復帰を実現するためにも、一人で悩みを抱え込まず、専門家に相談することをお勧めします。

少しでも不安や疑問がありましたら、まずはお気軽にご相談ください。