
今回は、製造工場で働く男性が、作業中の事故で重傷を負い、勤務先の会社からしかるべき補償を獲得した事例をご紹介します。
事案の概要
1.ご依頼者: 30代男性(製造業・工場勤務)
2.事故の状況: 工場内で機械オペレーターとして従事中、機械に手を挟まれる事故が発生。
3.怪我と後遺障害: 「右手首(手関節)」の骨折等により、2度の手術と1年の治療を行うも、手首が十分に曲がらない機能障害等が残存。「第10級9号」の後遺障害等級認定を受けました。
ご相談のきっかけ
ご依頼者が当事務所へ相談された背景には、切実な事情がありました。
1.仕事への影響: 握力の低下と手首の痛みにより、これまで通りの製造業務ができず、事故から1年後に退職を余儀なくされました。
2.将来への不安: 労災保険からの給付だけでは、将来の収入減少や精神的苦痛を補うには不十分だと感じていました。
3.会社の対応への不信感: 「危険な作業環境を放置していた会社にも責任があるのではないか」という疑問をお持ちでした。
当初相談した地元の法律事務所では断られてしまい、労災案件に強い当事務所へご相談にいらっしゃいました。
弁護士の対応
当事務所では、以下の手順で会社の責任を追及しました。
1.事実関係の調査: 労働局から資料を取り寄せ、事故状況と後遺障害の内容を精査しました。
2.責任の所在を明確化(安全配慮義務違反): 会社は従業員が安全に働けるよう配慮する義務を負っています。しかし本件では、危険な状態に機械があるのに安全ガード等を設置せず、十分な指導もないまま作業させていました。 これらを「安全配慮義務違反」であると指摘し、損害賠償請求を行いました。
3.適正な賠償額の算出: 裁判所基準(赤い本)に基づき、慰謝料や逸失利益(将来得られるはずだった収入)を厳密に計算しました。
解決結果:約1800万円の獲得
会社側との交渉の結果、こちらの主張が概ね認められ、約1800万円の損害賠償金を獲得しました。
認定された損害額の内訳: 治療費や休業損害に加え、特に大きかったのが「後遺障害による損害」です。後遺障害10級が認定されたことを前提に、逸失利益(約1600万円)と後遺障害慰謝料(550万円)などが認められました。
※労災保険からの既払金等を差し引いた金額が、今回支払われた約1800万円となります。
担当弁護士からのコメント
労災事故で後遺障害が残った場合、労災保険の給付だけでは、被害を受けた方の損害すべてをカバーできないことが多々あります。
会社側に安全管理の不備(安全配慮義務違反)がある場合には、労災保険とは別に、会社に対して損害賠償を請求することができます。
「労災保険をもらっているから、これ以上は請求できない」「会社に請求するのは気が引ける」と諦める必要はありません。
専門的な知識に基づいて適切に対応すれば、今回の事例のように、将来の生活を支えるための適正な賠償金を得られる可能性があります。 一人で悩まず、まずは専門家にご相談ください。
※本事例は個人情報保護の観点から、事案の本質を損なわない範囲で一部内容を変更しております。






