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骨盤を骨折する労災事故に遭われた方へ~適正な補償を受けるために~

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労災事故で骨盤を骨折してしまった場合、その影響は被害者の生活に深刻な影響を及ぼすことがあります。骨盤は体の中心を支える重要な骨であり、一度骨折してしまうと、長期の治療やリハビリが必要となることが一般的です。

また、後遺障害が残る可能性も高く、適切な補償を受けることが被害者の方の生活再建には欠かせません。そのため、労災保険からどのような補償が受けられるのか、後遺障害の等級はどのように認定されるのか、といった点を正確に理解しておくことが大切です。

そこで今回は、骨盤の骨折事故に遭われた方やそのご家族の方に向けて、適正な補償を受けるために必要な知識を解説していきます。

労災事故による骨盤骨折

骨盤骨折は、様々な労災事故によって発生する可能性があります。代表的な事故のパターンとその原因について説明させていただきます。

高所からの転落事故

最も多く見られるのが、建設現場などでの高所からの転落事故です。足場やはしごから転落した際に、地面に強い衝撃で着地することで骨盤を骨折してしまうケースが数多く報告されています。安全帯の未装着や不適切な使用、足場の組み立て不良や老朽化、作業場所の照明不足、滑りやすい路面状態などが主な原因として挙げられます。

重量物による事故

工場や倉庫での作業中に発生する事故として、重量物が骨盤部分に直接落下したり、挟まれたりすることで骨盤骨折が起きるケースがあります。クレーンやフォークリフトの操作ミス、荷物の不適切な積み方や固定の不備、作業スペースの不足、作業手順の未遵守などが主な原因となっています。

建設機械や車両との接触事故

建設現場や工場内では、建設機械や構内車両との接触事故によって骨盤を骨折するケースも見られます。作業区域の区分けが不明確であったり、死角での作業を行っていたり、誘導員の配置が不足していたり、運転手との連携が不十分であったりすることが事故の原因となっています。

挟まれ・巻き込まれ事故

製造現場では、機械への挟まれや巻き込まれによって、骨盤に強い外力が加わり骨折することがあります。機械の安全装置の不備や故障、作業手順の省略、危険予知の不足、不適切な服装での作業などが主な原因として挙げられます。

骨盤の役割と骨折した場合の治療

骨盤は、体の中心部分を支える重要な骨であり、いくつかの骨が組み合わさって形成されています。具体的には、仙骨、尾骨、そして左右の寛骨で構成されています。寛骨はさらに、腸骨、恥骨、坐骨の3つの骨に分かれています。

この骨盤には、主に以下のような重要な役割があります。
・体重を支え、上半身から下半身へ体重を分散させる
・内臓を保護する
・歩行や姿勢の維持に関わる重要な筋肉が付着する
・妊娠した女性の子宮を支える

骨盤骨折の治療方法は、骨折の程度や部位によって異なります。軽度の骨折であれば保存的治療が選択されますが、重度の骨折の場合は手術が必要となることがあります。

保存的治療の場合、ベッド上での安静が必要となり、骨折部分の固定を行います。

手術が必要な場合は、骨折した骨をプレートやスクリューなどで固定します。

骨盤骨折による後遺障害の認定

骨盤骨折の場合、完治後も後遺障害が残ることがあります。後遺障害は、その症状や程度によって等級が認定され、補償額に大きく影響します。
骨盤骨折による後遺障害は、主に以下の4つのタイプに分類されます。

機能障害

骨盤骨折により、下肢の関節の動きに障害が残る場合があります。特に股関節の可動域(動く範囲)が制限されることで、以下のような等級が認定される可能性があります。

8級7号「1下肢の3大関節の1関節の用を廃したもの」
股関節が強直したもの、関節の完全弛緩性麻痺またはこれに近い状態にあるものになった場合に認定されます。

10級11号「1下肢の3大関節の1関節の機能に著しい障害を残すもの」
股関節の可動域が、健側と比較して2分の1以下に制限された場合に認定されます。

12級7号「1下肢の3大関節の1関節の機能に障害を残すもの」
股関節の可動域が、健側と比較して4分の3以下に制限された場合に認定されます。

変形障害

骨盤の変形障害は、「その他の体幹骨に著しい変形を残すもの」として、12級5号に該当する可能性があります。

ここでいう「著しい変形」とは、裸になった状態で外見から明らかにわかる程度の変形を指します。つまり、レントゲンやCT検査などの画像診断によって初めてわかるような変形では、後遺障害としては認められません。

正常分娩困難

女性が、骨盤骨折により産道が狭まり正常分娩が困難な場合は、11級10号に認定される可能性があります。

神経症状

骨折部位に継続的な痛みやしびれが残る状態を指します。症状の程度や他覚的所見の有無によって、第12級13号(頑固な神経症状)または第14級9号(神経症状)として認定されます。痛みの継続性や治療経過の記録が重要となります。

労災事故による骨盤骨折で受けられる補償

労災事故で骨盤骨折の怪我を負った場合、適切な手続きを行うことで様々な補償を受けることができます。私の経験では、被災者の方やそのご家族が受けられる補償の全容を把握していないケースが少なくありません。ここでは、どのような補償が受けられるのか、説明していきます。

労災保険からの給付内容

まず、労災保険から受けられる主な給付について説明します。これらは、労災認定を受けることで請求が可能となります。

療養補償給付

療養補償給付は、治療にかかる費用を補償するものです。骨盤の骨折事故の場合、長期のリハビリテーションが必要となることも多く、この給付は重要です。

休業補償給付

休業補償給付は、働けない期間の収入を補償するものです。給付基礎日額の80%(休業補償給付60%+休業特別支給金20%)が支給されます。骨盤の骨折事故の場合、手術後の回復期間や機能回復のためのリハビリ期間中の収入を補償する重要な給付となります。

障害補償給付

後遺障害が残った場合には、障害補償給付を受けることができます。先ほど説明した障害等級に応じて、年金または一時金が支給されます。第7級以上の場合は年金として、第8級以下の場合は一時金として支給されるのが特徴です。

使用者に対する損害賠償請求

労災保険による補償に加えて、事故の原因に会社側の責任が認められる場合には、使用者に対して損害賠償を請求できる可能性があります。

例えば、安全対策が不十分な状態で作業をさせていた場合や、必要な研修・指導を怠っていた場合などは、会社側の安全配慮義務違反として損害賠償請求の対象となりえます。この場合、労災保険では補償されない慰謝料や、休業損害の不足分などを請求することができます。

不安を抱え込まずに専門家に相談を

骨盤の骨折事故は、被災者の方の人生に大きな影響を与えかねない深刻な事故です。適切な補償を受け、円滑な職場復帰を実現するためにも、一人で悩みを抱え込まず、専門家に相談することをお勧めします。

私たち弁護士法人ふくい総合法律事務所では、労災事故の被害に遭われた方々のご相談を無料でお受けしています。

少しでも不安や疑問がありましたら、まずはお気軽にご相談ください。