0776-28-2824 受付時間 9:30~20:00(土日祝対応)

0776-28-2824

受付時間 9:30~20:00(土日祝対応)

メール相談 LINE相談 受給判定
労災事故で首(頚椎)を損傷した|適正な補償を受けるために

事務所概要・アクセス

弁護士法人ふくい総合法律事務所 〒910-0005
福井県福井市大手3丁目14番10号 TMY大名町ビル5階
0776-28-2824 受付時間 9:30~20:00(土日祝対応)

労災事故で首(頚椎)を損傷した|適正な補償を受けるために

「業務中の事故で首を痛めてしまったが、この痛みはいつまで続くのだろうか」
「MRIでは異常がないと言われたけれど、痛みやしびれが全然治らない」
「仕事に復帰できるのか、生活していけるのか不安で仕方がない」

このような悩みを抱えていらっしゃいませんか。

私は福井県福井市で弁護士として15年以上活動し、これまで数多くの労災事故のご相談をお受けしてきました。その中でも、首の負傷、つまり頚椎損傷に関するご相談は決して少なくありません。工事現場での転落事故、業務中の交通事故など、様々な場面で起こる頚椎の損傷は、見た目には分かりにくくても、その後の生活に深刻な影響を与えることがあります。

今回の記事では、労災事故による頚椎損傷でお困りの方に向けて、どのような後遺障害が認定される可能性があるのか、そして労災保険だけでは不十分な場合の会社への損害賠償請求について、解説していきます。一人で抱え込まず、正しい知識を身につけて、あなたの権利をしっかりと守っていきましょう。

第1章 労災事故で頚椎損傷が起こる代表的なケース

業務中の事故により首に強い衝撃を受け、頚椎を損傷してしまうケースは残念ながら後を絶ちません。頚椎損傷は、軽微なむちうちから脊髄損傷を伴う重篤なものまで様々であり、その後の生活に大きな影響を及ぼす可能性があります。

まず、どのような場面で頚椎損傷が起こりやすいのか、代表的なケースをご紹介します。

墜落・転落事故での首への衝撃

建設現場や工場などで高所からの墜落や、脚立・階段からの転落時に、頭部や首を強打するケースです。特に、足場から転落した際に地面に頭から落ちてしまったり、階段を踏み外して首をひねってしまったりすることで、頚椎骨折や脊髄損傷といった重篤な損傷を負う可能性があります。

私が相談を受けたケースでも、足場の設置が不十分だった現場で作業員の方が転落し、頚椎を骨折されたという事故がありました。幸い命に別状はありませんでしたが、首の可動域に制限が残り、元の仕事に復帰することが困難になってしまいました。

業務中の交通事故によるむちうち

社用車での移動中や業務のための私有車運転中の追突事故などで、むちうち(頚椎捻挫)や、より重篤な頚椎骨折・脱臼などを負うケースです。特に後方からの追突事故では、首が前後に激しく揺さぶられることで頚椎に大きな負担がかかります。

交通事故によるむちうちは、事故直後は痛みを感じなくても、数日経ってから症状が現れることもあるため注意が必要です。「たいしたことはない」と思って放置していると、後になって深刻な症状に悩まされることもあります。

機械事故や飛来・落下物による直撃

機械の操作中に首や頭部が機械に巻き込まれたり挟まれたりするケース、また工事現場などで上方から物が落下し、頭部や首に直撃するケースです。

これらの事故は、頚椎骨折や脊髄損傷といった重篤な損傷を引き起こす可能性が高く、場合によっては四肢の麻痺などの深刻な後遺障害が残ることもあります。

第2章 頚椎損傷で起こりうる傷害の種類

これらの事故により発症する可能性のある頚椎の傷害には、以下のようなものがあります。

頚椎捻挫(むちうち)は最も一般的な頚椎損傷で、首の筋肉や靭帯が伸びたり部分的に断裂したりすることで起こります。痛みやこわばり、頭痛、肩こりなどの症状が現れます。

頚椎椎間板ヘルニアは、背骨の間にあるクッションの役割を果たす椎間板が飛び出し、神経を圧迫することで起こります。首や腕の痛み、しびれなどの症状が特徴的です。

頚椎骨折は、頚椎の骨が折れる重篤な損傷で、脊髄への影響により手足の麻痺などの重い後遺障害が残る可能性があります。

頚部脊柱管狭窄症は、加齢などにより脊柱管が狭くなることで起こりますが、外傷をきっかけに症状が悪化することもあります。

脊髄損傷は最も深刻な損傷で、脊髄が損傷されることで四肢の麻痺や感覚障害、排尿・排便障害などが起こる可能性があります。

このように、頚椎損傷は軽微なものから生命に関わる重篤なものまで幅広く、事故の状況や個人の体質によってその程度は大きく異なります。どのような症状であっても、まずは適切な医療機関での診断と治療を受けることが最優先です。

第3章 頚椎損傷で認定される可能性のある後遺障害等級

頚椎損傷によって症状が残ってしまった場合、その症状や程度に応じて後遺障害等級が認定される可能性があります。この等級認定は、労災保険からの給付額や、会社への損害賠償請求額を決める上で極めて重要な基準となります。

頚椎損傷で認定される可能性のある後遺障害等級について、症状の重いものから順に詳しく解説していきます。

神経系統の機能又は精神の障害

頚椎損傷による後遺障害の多くは、この「神経系統の機能又は精神の障害」として分類されます。

第1級の3の認定
最も重い等級である第1級の3は、「常に介護を要する」状態が認定の重要な基準となります。

具体的には:
・高度の四肢麻痺がある場合
・高度の対麻痺がある場合
・中等度の四肢麻痺があり、食事、入浴、用便、更衣などに常時介護が必要な場合
・中等度の対麻痺があり、食事、入浴、用便、更衣などに常時介護が必要な場合
などが該当します。

第2級の2の2の認定
第2級の2の2は、「随時介護を要する」状態が基準となります。
・中等度の四肢麻痺がある場合
・軽度の四肢麻痺でも、食事、入浴、用便、更衣などに随時介護が必要な場合
・中等度の対麻痺があり、食事、入浴、用便、更衣などに随時介護が必要な場合
などが該当します。

第3級の3の認定
第3級の3は、「生命維持に必要な身のまわり処理の動作は可能であるが、労務に服することができない」状態が基準となります。
・軽度の四肢麻痺がある場合
・中等度の対麻痺
などが該当します。

第5級の1の2の認定
第5級の1の2は、「きわめて軽易な労務以外の労務に服することができない」状態が基準となります。
・軽度の対麻痺
・一下肢の高度の単麻痺
などが該当します。

第7級の3の認定
第7級の3は、一下肢の中等度の単麻痺が認められる場合、「軽易な労務以外の労務に服することができない」として認定されます。

第9級の7の2の認定
第9級の7の2は、一下肢の軽度の単麻痺が認められる場合、「通常の労務に服することはできるが、就労可能な職種が相当程度に制限される」として認定されます。

第12級の12・第14級の9
頚椎損傷の治療が終了しても首に痛みやしびれ等が残る場合、神経障害として後遺障害と認定される可能性があります。
他覚的(画像所見等)に神経障害の存在が証明できる場合は12級の12、神経障害の存在が医学的に説明可能な場合は14級の9と認定されます。

せき柱の変形又は運動障害

頚椎の骨折などにより、首の動きに制限が生じたり、変形が残ったりした場合に認定される後遺障害です。

せき柱に著しい変形又は運動障害を残すもの(第6級の4)
頚椎の圧迫骨折などにより、著しい変形がレントゲン写真などで確認できる場合や、首の可動域が参考可動域の2分の1以下に制限された場合に認定されます。

せき柱に運動障害を残すもの(第8級の2)
頚椎の可動域が参考可動域の2分の1以下に制限された場合、または、頚椎の可動域が参考可動域の4分の3以下に制限され、かつ頚椎に中程度の変形を残す場合に該当します。

せき柱に変形を残すもの(第11級の5)
頚椎の圧迫骨折などにより、変形が残存した場合等に認定されます。

胸腹部臓器の機能又は精神の障害

頚髄損傷により膀胱直腸障害が生じた場合、排尿障害や排便障害の程度に応じて第12級相当などが認定される可能性があります。

※後遺障害について詳しくはこちら:労災で後遺障害が残ると言われた方へ

第4章 労災事故による頚椎損傷で受けられる補償

労災事故で頚椎を損傷した場合、適切な手続きを行うことで様々な補償を受けることができます。私の経験では、被災者の方やそのご家族が受けられる補償の全容を把握していないケースが少なくありません。ここでは、どのような補償が受けられるのか、説明していきます。

労災保険からの給付内容

まず、労災保険から受けられる主な給付について説明します。これらは、労災認定を受けることで請求が可能となります。

療養補償給付
療養補償給付は、治療にかかる費用を補償するものです。頚椎骨折や脊髄損傷の場合、治療やリハビリが長期化することも多く、この給付は重要な意味を持ちます。

休業補償給付
休業補償給付は、働けない期間の収入を補償するものです。給付基礎日額の80%(休業補償給付60%+休業特別支給金20%)が支給されます。

障害補償給付
後遺障害が残った場合には、障害補償給付を受けることができます。障害等級に応じて、年金または一時金が支給されます。第7級以上の場合は年金として、第8級以下の場合は一時金として支給されるのが特徴です。

介護補償給付
脊髄損傷等により、介護が必要と認められる場合には、介護補償給付を受けることができます。

使用者に対する損害賠償請求

労災保険による補償に加えて、事故の原因に会社側の責任が認められる場合には、使用者に対して損害賠償を請求できる可能性があります。

例えば、安全対策が不十分な状態で作業をさせていた場合や、必要な研修・指導を怠っていた場合などは、会社側の安全配慮義務違反として損害賠償請求の対象となりえます。

この場合、労災保険では補償されない慰謝料や、休業損害・逸失利益・介護費用の不足分などを請求することができます。

※使用者に対する損害賠償請求については詳しくはこちら:労災で会社への損害賠償請求をお考えの方へ

まとめ:適切な補償を受けるために

労災事故による頚椎損傷は、その後の人生に大きな影響を及ぼす深刻な問題です。首は私たちの体を支える重要な部分であり、一度損傷を受けると完全に元通りになることは難しく、長期間にわたって痛みやしびれ、可動域制限といった症状に悩まされることも少なくありません。

しかし、適切な手続きを踏み、必要な証拠を揃えることで、症状に見合った後遺障害等級の認定を受け、労災保険からの十分な給付を受けることができます。さらに、会社に安全配慮義務違反が認められる場合には、会社への損害賠償請求により、適正な補償を受けることも可能です。

当事務所では、労災事故に関するご相談を積極的にお受けしています。

労災事故による頚椎損傷でお困りの方、そしてそのご家族の方々が、少しでも安心して治療や今後の生活に向き合えるよう、私たちがサポートいたします。一人で抱え込まず、まずはお気軽にお問い合わせいただき、あなたの正当な権利の実現に向けた第一歩を踏み出しましょう。